改正民法(4月1日施行)はどこから適用されるか(1)

契約日基準の例外 – 定型約款

契約日基準の原則の例外は、定型約款です。定型約款に基づく定型取引契約については、2020年4月1日より前に締結された契約であっても、2020年4月1日後は新民法が適用されます(附則33条1項)。旧民法には定型約款に関する規定が存しておらず、特に約款変更の取扱いが明確でないため、新民法を適用して明確化を図る趣旨です。

例えば、エステティックサロン事業者が作成した約款に基づいて2019年4月にエステサービスの契約をしたというケースで、契約時点の約款に事業者の都合で契約条件が変更できるとの変更条項があり、2020年4月1日より後に当該変更条項に基づいて事業者が契約者に不利に約款を変更したとします。この場合、エステサービスの契約は2020年4月1日より前に締結されていますが、新民法の定型約款に関する条項が適用されます。したがって、約款の変更は、相手方の一般の利益に適合する場合、または、変更が契約の目的に反せず、かつ、諸事情を考慮して合理性がある場合に限って許されます(新民法548条の4第1項)。

今回は、契約をめぐる事項に関して旧民法と新民法のどちらが適用されるかを検討しました。次回は時効などその他の改正項目について検討したいと思います。

弁護士 林 康司